障がい者の就労について
「就労」といってもそれぞれが想い描くスタイルは違います。一般就労を目指している方。自分のペースでゆっくり働きたい方。また、障がいがある事で、会社の上司や同僚と良好な関係を築けなかったり、仕事でのミスが多発したりなどで、社会に出る事に対して困難さを感じている方も居ると思います。そこで、就労面の支援を受けながら利用できるサービスとはどのようなものがあるのかをお話します。
【目次】
1.就労面で利用できるサービス
2.支援者の役割
3.まとめ
1.就労面で利用できるサービス
「就労継続支援A型」…障がい者雇用での就労は困難であるものの、生活リズムは安定しており、ある程度の就労時間に耐える体力がある方におすすめです。利用するには事業所に見学、相談に行った後、自治体の障害福祉施設窓口やハローワークで相談します。また年齢制限があり、65歳までとなっています。
「就労継続支援B型」…生活習慣が安定していなかったり、作業スキルや対人スキルが不足、体力に自信のない方が自分のペースで働く事が出来ます。ゆっくりと働きたい方におすすめです。就労継続支援A型と違い、雇用契約を結ばない為、収入は多く見込めません。その為、月に20日通所したとしても1~2万円程度の工賃になりますが、1日や一週間で働かなければいけない時間は定まっていません。仕事内容は軽作業、お弁当、お菓子作り、裁縫など事業所によってさまざまです。その方の特性や得意分野に応じて、仕事を探す事が出来ます。利用するには事業所に見学、相談に行った後、自治体の障害福祉窓口やハローワークで相談します。当法人にも就労継続支援B型の事業所はありますが、年齢制限がない為、高校卒業後にすぐに利用する方~70代の方と年齢層もさまざまです。
「就労移行支援事業」…一般雇用や障がい者雇用を目指しており、働く為のスキルやマナーを身につけたいという方におすすめです。まず自分の適性や課題を把握し、訓練を受ける事で仕事に必要な技術やマナーを身につける事が出来ます。セクセル、ワード、プログラミングなどを設定している事業所も増えており、事業所に見学、相談にに行った後、市町村役場の障害福祉課に相談します。就労継続支援A型、B型事業所と違う点は利用制限が2年と限られています。(※1)
2.支援者の役割
就労に対して様々な向き合い方があり、就労面のサービスを受ける利用者さんそれぞれの目的に寄り添った対応が支援者には求められます。それぞれの要望を受け止め、フォローしてゆくなど「寄りそう支援」はもちろん大切ですが、苦手な事に対して取り組み方を工夫するなどして少しずつ克服してゆける支援をし、それぞれのやる気を引き出す事も支援者の大切な役割です。目標に沿って支援する事も大切ですが、最も重要な事は日々の“コミュニケーション”です。自身の意思表示が得意な利用者さんばかりではありません。伝えたくてもすぐに伝えられない方もいる為、支援者は相手の事をよく理解し、関係性を築いていかなければなりません。どのように話せば伝わりやすいのか。それぞれの個性・傾向を理解し、ストレスなく受け入れてもらい、スムーズに行動に移せる様、日々検討し、就労に対するルールはしっかりと伝えながら、それぞれが目指す働き方に応じた支援方法を探ってゆきます。
3.まとめ
障がいの程度や、就労への意欲。得意な事、苦手な事も人によってさまざまであり、求める条件も違います。事業所によってもそれぞれサービスの種類や方針も違う為、自身の得意なことを生かしながら、次のステップへ進んでいける目標を持てる作業所を相談支援事業所や障害福祉課などを活用しながら見つけられるとよいと思います。
【参考文献】