“推し”という存在

突然ですが、皆さんには「推し」はありますか?当法人の利用者さんにも電車やアイドル、アニメキャラクターなどたくさんの好きなもの(推し)があります。
最近はメディアや日常生活でもよく耳にする言葉になり、推しがあるという方は年齢性別問わず多くいらっしゃると思います。
そこで、今回は「推し」と「推しが私たちにもたらす効果」について考えていこうと思います。
【目次】
1.推しとは
2.推しが心身にもたらす効果
3.まとめ
1.推しとは
推しという言葉は「推薦する」という動詞から来ており、他の人におすすめしたいほど好きな人・もののことで幅広い対象に使われています。
元々は1980年代のアイドルブームの際に推しメン(推しメンバー)という言葉で一部のアイドルファンにより使われるようになりました。その後、流行語大賞にノミネートされたことや、マスメディアによって取り上げられたことから「推し」という言葉や意味が世間に広く知られるようになりました。
2.推しが心身にもたらす効果
推しがもたらす良い効果のひとつとして脳内でのプラス作用の働きが挙げられます。そしてその働きには主に3つのものがあります。
➀オキシトシン
推しを見たり考えたりするとき、脳内では愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンという物質が放出されています。副交感神経の働きによるリラックス効果からストレスの軽減や安心感、寝つきが良くなるという効果があり、それらを実感している方も多いそうです。
②セロトニン
また、オキシトシンが分泌されるとセロトニンという物質も増えます。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれており、オキシトシンと同じようにストレスの軽減や精神の安定などの効果があります。他にも推しを通じて新たなコミュニティに参加したり、共通の仲間と交流・感情の共有をしたりすることでセロトニンが分泌されると言われています。
③ドーパミン
推しが頑張って目標を達成するなどの成功体験を得ると、 その推しに感情移入をして脳内ではドーパミンが放出されます。ドーパミンは快感や喜びをもたらす神経伝達物質であり、「推し」の感情を疑似体験することで脳は成功体験を感じ、高揚感や満足感を感じることができます。
以上のことから推しと関わっているときに、心が満たされるような気持ちになるのはこういった科学的な効果があるからだということがわかります。
3.まとめ
当法人にも推しがある利用者さんがたくさんいらっしゃいます。
電車の写真を撮りに休日に出掛ける、野球観戦して推しチームを応援する、アイドルの写真を買って部屋に貼るなど、毎日を楽しそうに過ごされています。
推しへの思いは人それぞれですが、嫌なことや辛いことがあったときに自分にとっての心の支えのひとつとなり、日常生活にゆとりを与えてくれる、そんな存在だと私は思います。
入所施設で生活していると、どうしても同じような日々になってしまいがちですが、新しい体験を提案するなどして、利用者さんにとっての推しを一緒に見つけ、少しでも日常生活に彩りが生まれる支援ができたらいいなと感じます。
引用・参照:
推し-Wikipedia
推し活が心身や生活に与える好影響とは
「推し」は健康に効く!心を支える明るいオタク活動・推し活とは?
オキシトシンとセロトニンの関係性について