年末調整とは
11月になると会社勤めの方は「年末調整」の提出が求められます。
そして、生命保険等 任意で加入されている保険について、控除するための証明書が
ご自宅へ届きます。これらは、年末調整で必要な書類となります。
今回はこの 年末調整 について触れてみようと思います。
【目次】
1.年末調整とは
2.年末調整と確定申告の違い
3.年末調整が対象外の方
4.まとめ
1.年末調整とは
給与所得者が本来支払うべき正しい所得税額を算出し、その年の給与から差し引いた源泉
徴収税額との差額を精算する手続きのことです。期間は 毎年1月~12月 の1年間を対象
とします。対象者は毎月の給与明細書の 「源泉税」 の欄で徴収されています。
税額は国税庁より送られている源泉徴収税額表により決定しています。
会社員など給与所得者の所得税は、毎月の給与から源泉徴収(天引き)され、本人に代わっ
て勤務先の会社が納めています。ただし、天引きされている所得税は概算であり、正しい税
額ではありません。そこで、1年間の給与が確定した時点で会社は個々の所得税を計算し、
正しい税額で納税する必要があります。このとき、正しい税額と概算の税額の差を算出し、
納め過ぎていれば還付、不足していれば追加徴収するのが年末調整です。
多くの給与所得者は、年末調整によって、その年の所得税の納税が完了します。
2.年末調整と確定申告の違い
年末調整が「所得税の過不足を精算するために会社が行う手続き」であるのに対して、確定申告は「所得税の税額を確定させるために納税者本人が行う手続き」であることです。
個人事業主は、1年間に得た所得をもとに納めるべき所得税を自分で計算します。そして、所得税額を税務署に申告し、所得税を納付します。それが確定申告です。確定申告ではその
事業で使用した必要経費の控除ができます。
では会社員はどうなのでしょうか。会社員は例えば勤務中に使用している服であったり、使
用している車であったり、必要経費に似たような物が発生します。しかし個人で申告するの
は大変難しいことです。そこで会社員は業種に関係なく、年収に応じて控除額が決められて
います。そこへ各々の家族の状況、任意加入の保険の控除がプラスされ給与所得の額が決定
されます。保険の控除の書類は証明となるため必ず原本が必要です。
個人で加入しているiDeCoについては全額控除できるため、節税効果があるとよく聞く
と思います。
大きな違いは、年末調整は会社が代理で行い、確定申告は個人で行うものです。
年末調整は会社が行う義務があり、行わないと罰則があります。
3.年末調整が対象外の方
1年の給与総額が2,000万円を超える人
災害減免法の規定により所得税の徴収猶予や還付を受けた人
2か所以上から給与を受け取っていて、他社で給与所得者の扶養控除等(異動)
申告書を提出している人
非居住者(国内に住所や1年以上居所を持っていない人)
日雇労働者など継続した雇用ではない人
以上の方はご自身で確定申告を行う必要があります。
また、会社への申告書の提出モレや記載内容の不備、ご自身のミスで年末調整ができ
なかった場合等、ご自身で確定申告を行わなければいけない場合もあります。
4.まとめ
年末調整はご自身に代わって、会社が手続きをしてくれています。
そのため、ご自身が責任を持って、会社へ申告書等々を提出し、確実な情報を伝えることが
大切です。
年末調整の仕組みがわかれば、何の為に申告が必要で、どのように正しい税額が計算されているかがわかると思います。
年末調整は所得税の計算であり、市県民税とは直接関係ありませんが、年末調整で確定した
所得額で翌年の市県民税(住民税)額が決定します。そのことから、しっかり年末調整を
行うことが大切です。
会社側は所得税法により、退職日から1ヶ月以内に退職者に渡す必要があります。
退職者がいる場合には、注意が必要です。