コラム

障害福祉における「良い支援とは?」

ニュースにもなっていますが、障害者施設等における障害者虐待や不適切な支援によって障がいを持った方がつらい思いをする悲しい出来事が今なお起こっています。国も障害者虐待の防止や権利擁護についての取り組みを従事者に求めています。ただ本来、障害福祉に従事している人は利用者に対して「良い支援をしたい」と思っているはずです。改めて「良い支援とは何か?」「良い支援ができる職員とは?」について考えてみたいと思います。

【目次】

1.「支援」って?
2.福祉における「支援」とは?
3.冊子「良い支援をしよう」
4.まとめ

1.支援って?

支援という言葉を辞書で調べると「他人を支え助けること」「力を貸して助けること」などと書いてあります。支援には一般的に、人を支え、力を貸して助ける、という意味があることが分かります。似た言葉に「援助」がありますが、「援助」が全面的に助ける側が出てくるのに対して、「支援」は補助的、側面的な意味で捉えられると思います。

2.福祉における「支援」とは?

福祉分野ではおおまかに4類型の支援があるとしています。生活保護、ホームレス対策など個人を自立した生活をサポートすることを目指す「生活でお困りの方への支援」、子育てにかかる経済的負担の軽減や安心して子育てができる環境の整備の施策などの「子ども・子育て支援」、介護が必要になっても尊厳ある自立した生活が送れるように質の高い保健医療・福祉サービスを行う「高齢者の方への支援」、そして私たちが行っている障がいがあっても普通に暮らし、地域の一員としてともに生きる社会作りを目指し障害保健福祉施策を推進する「障害者の方への支援」になります。

3.冊子「良い支援をしよう」

当法人では、大阪知的障害者福祉協会が発行している冊子「【わたしのお守り手帳】良い支援をしよう」を活用しています。この冊子は、「良い支援を増やしたい」「素敵な支援者になろう」という思いをかなえるきっかけとして作成されたものです。冊子は「利用者の視点からの見方」「職員間のこと」「日々の振り返りチェックシート」の3つのブロックで構成されており、いずれも支援者が考えたことや実現させたいことを自由に書き込めるようになっています。項目には「あだ名やタメ語。親しみを込めてるんやから、いいよね」や「できひんのやから、やってあげよう。『うん』と言ったからこれでいい。」「きちんと挨拶しよう。明るく挨拶しよう。」「職員同士も思いやり」などがあり、それぞれに対して「なんでやろ」「利用者の声」「やってみようかな」といった考え実践し、振り返るためのツールになっています。関西弁で書かれているのも面白いですね。(「できひん」は「できない」という意味です。)

4.まとめ

日々、支援や業務に当たっていると自分が思っていた通りにならないことや理不尽に感じることがあるかもしれません。そんな時にネガティブな気持ちにならず「良い支援ってどんなやろ?」と考えることで前向きな気持ちになれるかもしれません。良い支援を実践することは利用者さんの喜びや思いの実現につながると同時に支援者のやりがいにもつながると思います。そのヒントや手助けに冊子「良い支援をしよう」を活用してみてはどうでしょうか?1冊200円であなたの支援が変わるかも(笑)

参考ホームページ:
大阪知的障害者福祉協会
ハンドレッドラボ
厚生労働省