コラム

日本モンキーセンターに寄付物品を届ける支猿(援)をしています

目次
1.四日市福祉会のパン
2.「おたくのパンをください」
3.ご猿(縁)がつながった
4.なぜ動物園を助けたいのか
5.まとめ

1.四日市福祉会のパン

当法人の「パン工房 ブルーミング」では朝5時に職員が出社し火曜日から金曜日までパンを焼いています。私が看護師として医療ケア・受診・薬剤管理の仕事をしている「垂坂山ブルーミングハウス」(入所サービス施設)で生活している方の中にも働きに出かける方がいます。

焼かれたパンは、四日市市立羽津中学校近くにある「パン工房 ブルーミング」や、近鉄霞ヶ浦駅近く、ガソリンスタンド・ブルーミング阿倉川SS併設の「ベーカリーショップ ブルーミング」で販売されたり、四日市市内のレストランやハンバーガーショップで美味しいお料理のわき役として活躍しています。

2.「おたくのパンをください」

私が当法人に入職する前にブルーミングの名前を知ったのも、以前の職場の近くでパンを買ったことがきっかけでした。当時たまたま別のパン屋(四日市市 パン屋ロキ)さんに、処分やむなしとなったパンを日本モンキーセンターの動物(おサルさん)のために寄付として提供していただき運搬する活動を始めたころでした。

社会福祉法人がやっているパン屋さんなら社会貢献の提案としてお話しさせてもらえるかもしれないな、と軽い気持ちでベーカリーショップ ブルーミングの店員さんにお声がけしました。「廃棄されるパンがありましたら、動物のために譲っていただけませんか?」。その際は、法人の事業の中に知的障害をもつ方のための生活介護・入所での支援施設があり、売れ残ったパンが出てもそちらの利用者さんで消費されることがほとんどなので、との説明。

この時対応してもらったお話しの内容からブルーミングがいろいろな福祉業務に携わっていることを知りました。

この時の印象が良かったので、後日転職を考えているとき、ブルーミングの募集を見つけてすぐに連絡しました。

3.ご猿(縁)がつながった

しばらくして利用者さんの顔を覚え業務に慣れて行ったある日、理事長から食パンの耳が少しずつなら貯まるから、まとまった頃でなら提供できるとのお話をもらいました。受け取ったパンの運搬のバックアップだけでなく、利用者さんが描いた絵をグッズにして日本モンキーセンター内のマルシェで出店する企画も実践させてもらっています。法人の敷地内で自生している桑の枝葉をもらったりもしています。

4.なぜ動物園を助けたいのか

私が寄付を運んでいるのは、愛知県犬山市にある「日本モンキーセンター」。この施設は公益財団法人が運営しておりもともと財政難でしたが、コロナ禍で休園したり入場者の激減があり更に収入が減りました。収入がなくとも動物たちの健康を支える飼料(エサ)を減らすわけにはいきません。私だけでなく、日本モンキーセンターを愛する熱心なファンが、なんとか園を支えようと自発的に活動をしていました。

私は自分の周りで廃棄してしまうものを譲ってもらい、日本モンキーセンターまで運ぶ寄付活動を始めました。パン、スーパーの売れ残った野菜、近所で剪定した提供してもらった枝葉、持ち主に許可をもらって採らせてもらった山の果実。どれも動物にとっては立派な食糧です。そしてせっかく生産者が作ったものなのにゴミとして出せば焼却されるのは大変もったいない。私が間に入ることでゴミをごちそうに替えることができるのです。

5.まとめ

動物園は社会に大きな役割を担っています。ただ可愛い動物を見せて人間を喜ばすだけではありません。この動物が本来どのような生活をしているのか。どんな環境に生きているのか。今その環境はどんな状況になってしまっているのか。動物を知ることで地球全体や社会はどうしていくべきなのか?と思い考えるきっかけをくれる博物館です。家族や恋人たちが集うレジャー施設であるだけでなく、動物たちは私たちにメッセージを伝え続けてくれているのです。だから私は動物園を大切に思っているのです。

四日市福祉会はもちろん人間社会の福祉を実践する団体です。なぜ動物園?と思われるかもしれませんが、動物の福祉も人間の福祉も違うように見えて実は共通しています。その人(生き物)それぞれの幸せを考えましょう、という福祉の精神です。だから四日市福祉会は日本モンキーセンターを助ける私の活動をバックアップしてくれるのだと思います。これからも四日市福祉会で、自分でできるメセナ活動を探して続けていけたらと思っています。