コラム

食材の衛生管理について

四日市福祉会の厨房では食の安全・安心を確保するための取り組みを行なっており、コラム(障がい者施設の衛生管理)、(障がい者施設の衛生管理vol.2)、(障がい者施設の衛生管理vol.3)で説明しております。
このコラムでは、原材料の受け入れ及び下処理段階における管理と加熱調理食品の加熱温度管理について、より具体的に説明します。

【目次】

1.原材料について事前準備
2.納入業者の検査結果
3.原材料の検品
4.生野菜・果物の消毒
5.加熱温度管理
6.まとめ

1.原材料について事前準備

原材料については年に1度、取引先の見直しをする際に食材の製品証明書や商品規格書を受け取り、加熱せずに喫食する食材(例:牛乳)は安全に製造されているか、栄養成分表に変更はないかなどを確認し、変更がある場合は給食管理システムに変更後の栄養量を反映しています。
取引先から受け取った品質証明の書類はファイルにまとめて保管しています

2.納入業者の検査結果

納入業者が定期的に実施する微生物及び理化学検査結果を受け取り、保管しています。

3.原材料の検品

原材料の納入時は、厨房職員が必ず立ち合い、検収室で納入量、品質、鮮度、品温、異物の有無等の点検を行い、記録しています。
定期的に伝票の確認を行い、価格の確認も行っています。

4.生野菜・果物の消毒

加熱を行わずに提供する野菜や果物は電解次亜水(次亜塩素酸ナトリウム溶液と同等の効果を有する)で消毒を行い、水道水ですすぎます。

・水道水で流水洗浄
・電解次亜水をオーバーフローさせる(3分)
・水道水ですすぐ(3分)
・冷蔵庫に保管し、消毒の記録を行う

5.加熱温度管理

加熱温度の基準は中心部が75℃以上で1分間以上を求められているため、当法人厨房では中心部が85℃以上で5秒以上(Z値を用い、保健所へ問い合わせしました。)の確認を行い、温度と時間の記録を行っています。5秒以上の確認は加熱調理時に見える場所に時計を置き、秒針を見て5秒以上測っています。
温度は中心温度計で測定を行っているため、毎月中心温度計の校正を行っています。
中心温度計の校正:水道水を沸騰させた状態(100℃)と氷水(0℃)で測定し、誤差が2℃以上の場合は中心温度計の異常と判断しています。

6.まとめ

納品前から食材の衛生管理は始まっており、検品、加熱を含む消毒を行い、記録を残し、記録の確認まで行う事で、私たちは食の安心・安全を守っています。このように手順を決めて管理を行う事は大切ですが、調理を行う厨房職員全員が手順を理解し、正しく記録を残すことができるように、定期的な研修を行うなどして、教育や周知を行う事も大切です。

参考資料:大量調理施設衛生管理マニュアル 最終改正:平成29年6月16日