障がい者支援での経験を育児へ生かす
高校卒業後、福祉の知識・技術等なにも無いまま当法人で働き始めて10年が経ちました。上司や同僚、家族に支えられながら障害者支援と、約4年前に授かった第一子の育児に奮闘中です。そこで今回は福祉の仕事を経験した事で、育児に役立ったと感じた事をお話ししたいと思います。
【目次】
1.気持ちのコントロール
2.相手の気持ちを汲み取る
3.まとめ
1.気持ちのコントロール
育児が始まってからは大きく環境が変わり、楽しい事もたくさん増えましたが、怒ってしまう事もたくさんあります。朝起きてから出勤・登園の準備中“ご飯を食べない”“服を着替えたくない”“自分で全部やりたかった”等、グズグズグズグズ…。いわゆる“イヤイヤ期”です。いつも「なんで今?」という忙しいタイミングでそんな出来事が起こります。そして、ついつい「早く起きなさい!」「早く準備して!」「いい加減にしなさい!」と言ってしまう事も度々。後になって「もう少し早く準備を始めていたらあんな事言わなくてもよかったのに…」と、反省の繰り返しです。
状況は少し違うかもしれませんが、障害者支援の現場でも利用者さんの支援をしている最中、他のトラブルが発生。声掛けが伝わりにくい状況や、時間に追われている時、トラブルが連鎖して苛立つ状況に陥ってしまう事も多いと思います。そんな時、冷静に判断する為にはどのような方法があるでしょうか?
福祉の仕事では“アンガーコントロール”という言葉をよく耳にします。感情的な気持ちのまま相手を否定し押しつけるような言い方をして逆効果になってしまわない様「まずは6秒間何も考えず、気持ちを落ち着け、切り替える」という方法です。この方法は育児をしている中でも私自身よく活用しています(6秒経っても「無理!」と思う事もありますけど)。注意だけで終わるのではなく“なぜそれはいけないのか”までも伝えられるゆとりを持てる様になる他、逆に子供の良い所にも目が向いて、出来た事をたくさん褒めて本人のモチベーションを上げる事につなげられる。福祉の仕事をしていたからこそ、自分の中で意識出来るようになりました。
2.相手の気持ちを汲み取る
利用者さんの目標に対してどうすれば近付けていけるのか、日々考えながら取り組んでいます。そのためには「気持ちのコントロール」や「伝え方」の他にもたくさん大切な事はあります。中でも「気持ちを汲み取る」という事が特に大切であると感じています。
出来ない事を「できない。」で終わらせるのではなく、どうすれば出来るようになるのか。自分の気持ちをうまく伝えられない相手から出される“サイン”をこちらが感じ取り、気持ちを汲み取ってあげなければなりません。なぜ怒っているのだろう?なぜ泣いているのだろう?なぜ笑っているのだろう?そして、出来るようになった時は褒めて自信をつけ次のステップへ繋げてゆく。そんな支援の繰り返しから得た“相手の気持ちを汲み取るチカラ”が、まだ言葉も何も話せない0歳児からの子育てに非常に役に立ったと感じています。
3.まとめ
この10年間福祉の仕事をしていたからこそ、広い視野を持ち次の行動に繋げる事が出来るようになったと思います。たくさんの経験を踏まえ“○○であるべき”と決めつけず、これからも相手の気持ちに寄り添いながら、仕事、育児を頑張っていきたいです。そして苦手な事を克服し、得意な事はどんどん伸ばせる様、色々な方法を考え、挑戦し自分自身も経験を重ねていきたいと思います。
【参考文献】
「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」講談社
| 著 |shizu(自閉症療育アドバイザー)
|監修|平岩幹夫(医学博士)