コラム

アニマルセラピーとは…

皆さんのご家庭ではペットを飼っていますか?
私は、幼い頃から今年の2月までの間、小型・中型合わせて3頭の犬と共に暮らした経験があります。
そして現在は、4頭目となるゴールデンレトリバーの幼犬を今年の5月に迎え、共に生活しています。
これまで犬の飼育の経験は充分にあったものの、初めての大型犬との暮らしは、日に日に大きく(3ヶ月で体重が7.5kgから3倍超の24kgに)なってくる”やんちゃな息子”に翻弄される毎日です。
ペットとは言えども大切な家族の一員。時には癒しや安らぎの存在でもあります。
どんなに仕事で疲れて帰っても玄関をあければ尻尾を振って待っていてくれる。
ぎゅっと抱きしめるだけでその日1日の疲れが吹っ飛んでしまいます。
この様に、一般家庭で飼われ暮らしの中に溶け込んでいる動物たちはたくさんいますが、“ペット”といった枠を飛び出して社会で活躍している犬たちもいます。盲導犬、聴導犬、介助犬、災害救助犬、警察犬などがあげられますが、今回は動物たちと触れ合う事で人々の心を癒す“アニマルセラピー”についてお話をします。

 

目次
1.アニマルセラピーとは
2.アニマルセラピーの効果
3.アニマルセラピーの今後
4.まとめ

1.アニマルセラピーとは

”アニマルセラピー”とは日本の造語ではありますが、その名の通り「動物を使った療法」のことで、セラピー犬とアニマルセラピストのサポートによって実現します。
医療従事者が治療の補助として用いる「動物介在療法」と、動物とのふれあいを通して生活の質を向上させる事を目的とする「動物介在活動」に分類され、主に病院や高齢者施設などで用いられています。動物を撫でたり、膝の上に乗せたりしながら触れ合うことで「生理的利点・心理的利点・社会的利点」など、様々な効用が期待されています。

2.アニマルセラピーの効果

アニマルセラピーの効果として「ストレスの軽減」が挙げられます。現代社会においてストレスにより精神を病んでしまう人は少なくありません。過剰なストレスを抱えてしまうと精神疾患に陥ったり、免疫機能が低下してしまったりする事もあります。動物と触れ合うことでゆったりとした時間を過ごし、ストレス発散やリフレッシュすることで心と体を癒します。

アニマルセラピーを導入している介護施設では、動物と触れ合う事で「自然と表情が柔らかくなった」と、精神的な効果が得られた事例が多く報告されています。また、過去に動物を飼った経験がある人においては「当時を思い出す事が出来る様になった」など、認知症の進行抑制にも効果が期待できると言われています。

3.アニマルセラピーの今後

アニマルセラピーの癒し効果については、ある程度実証はされているものの、科学的根拠については未だ証明されていない状況です。多岐にわたる効果が期待できるため、今後学術的な側面からも検証が進められていくことを願います。
介護施設での導入が多いアニマルセラピーですが、近年では精神科等の医療現場でも取り入れられている例が増えてきています。まだまだ珍しい事ではありますが、ストレス軽減や社会性の改善、コミュニケーションの促進などの効果を考えれば将来的に広く導入されることも期待できます。
ストレスの緩和やうつ状態の改善、活動性・社会性やQOLの向上も期待できるアニマルセラピーが広く認知され、多くの現場へと普及する事を願うばかりです。

4.まとめ

私が入社する何年か前に、当法人でも犬の飼育をしていたという話を聞きました。その当時の様子は私には分かりませんが、きっとそのワンちゃんは施設の利用者さんや職員の心の癒しの存在になっていたに違いありません。最近ではYouTubeなどで、福祉施設で活躍するセラピー犬の動画を見られる様になってきています。
ペットは家族でもありますが社会全体で活躍している大切な存在です。
もし、私がアニマルセラピーの資格を取得し、うちの”やんちゃ息子”が訓練を受けてセラピー犬として活躍できる将来があれば、どこかの施設で誰かの「癒しの存在」になれたらいいなぁと思います。

【参考文献、一部抜粋】
介護のほんね
ウィキペディア