SDGsと障がい者雇用の関連性について(再掲載)
TV、ネットニュースの記事、新聞、報道などで取り上げられる機会が多いSDGs。世間の認知度も高くなり、個人や企業で目標達成に向けた様々な取り組みが行われて、また、その内容も充実してきています。最近では、特に環境問題・社会問題への取り組みとしてこの言葉を聞く機会が増えてきました。
さて今回は障がい者雇用とSDGsの関連性についてお話したいと思います。
【目次】
1.SDGsとは
2.SDGsと障がい者雇用の関連性
3.まとめ
1.SDGsとは
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、世界中にある環境課題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のことで、よりよい世界をつくるために、17個のゴールと169のターゲットが定められています。
2.SDGsと障害者雇用の関連性
これまで障がい者雇用はCSR(企業の社会的責任)として取り組まれ、社会貢献的な活動として強調されてきましたが、SDGsの観点から考えていくと、また違ったものが生まれてくることもあります。
障がい者雇用に関連する目標は他にもたくさんありますが、特に関連が深い目標は以下となります。
★現在、日本が直面する少子化・超高齢化社会による労働力不足は避けて通れない課題となっており、今後、持続的に企業が発展していく為には、障がい者雇用に限らず、多様な人材が活躍できる職場環境や風土を改善していくことが重要となります。
★未だ障がいを理由とした様々な差別や偏見がみられます。障害者差別解消法や障害者雇用促進法などの順守が求められています。障がい者だけでなく、高齢者・外国人など多様な人材と価値観に対応可能な職場であれば、新しい事業機会に恵まれるチャンスも生まれることもあります。
3.まとめ
手前味噌にはなりますが、当法人の障がい者雇用率は7.5%(令和4年6月現在)で、民間法定雇用率(2.3%)の3倍以上となっています。四日市福祉会で働く障がい者の皆さんは、特定の業務を1事業所に集まって行うのではなく、お一人お一人の適正に応じて適材適所に配属されています。支援員の補助、カフェでの接客、掃除・洗車など法人内で生き生きと毎日仕事をされています。また、一部の通所事業所では、心身の不調や長期のブランクによる「働きづらさ」を抱え、すぐに就労することが難しい方への労働機会の提供を支援する中間的就労の取り組みも行っています。
障がい者雇用は 雇用率の達成ももちろん重要なミッションではあります。しかし、これからの障がい者雇用は、これまでの社会貢献活動の一環で行われる雇用ではなく、SDGsの目標やターゲットの視点から考えることで、『職場環境の改善の意識の向上につながった』『誰もが働きやすい働き方を追求した結果、障がいの有無に関わらず、全社員が働きやすい職場を作ることができた』といった効果もあるようです。
このような取り組みができる企業は、優秀な人材を確保、定着することが実現できており、その結果、創造力が豊かで高い価値を生み続けられる企業であると考えられます。そして、その職場の従業員は、障がい者、高齢者、外国人が一緒であることを全く意識せずにごく自然に働いているのでしょう。
【参考文献】
ユニセフ SDGsClub